【1】お顔の取り扱い方

お顔の取り扱い方の写真

人形のお顔は、胴に差す「差し込み式」になっておりますので、
輸送中に左右に動くことがあります。
その場合は手袋を着用して正面に向けてください。
この写真のように五本の指でつまんで軽く左右に動かすだけで元に戻ります。
なお、素手でお顔に触れてしまうと手の脂などが付着して,

汚れの原因になりますのでご注意ください。
※お人形の種類によっては、お顔がきつく入っている場合もあります。
また、木目込人形などのようにお顔が固定されている場合は、
無理にねじって壊してしまう可能性もあります。
まわらない場合や解らない点等がある場合は、購入されたお店にご相談ください。

 

【2】裾(きょ)と平緒について

裾(きょ)と平緒についての写真

親王の殿様の後ろの帯のような物を裾(きょ)といいます。
これを下に巻き込んで飾ることは正式ではありません。
裾(きょ)は、後方に伸ばしてお飾りください。


裾(きょ)と平緒についての写真

殿についている平緒のセロハンは、
平緒の糸がばらつかないために巻いてありますので、

初期状態のままで剥がさないで飾った方が綺麗です。
何年か経過して傷んできてから剥がした方がよいでしょう。


裾(きょ)と平緒についての写真

雛人形の袴についているセロハンなどは、

親王台との摩擦や汚れ防止のためについています。
お買い上げ当初はセロハンをつけたまま飾り、

何年か経過して汚れたり傷むまではそのままにしてお飾りになることをおすすめします。

【3】小道具が持てない場合は?

小道具が持てない場合は?の写真

おひな様の小道具をうまく持たせられない場合には、

手をまわして小道具を持たせられる位置に調整してください。
※画像は極端な例です。

お人形の手や腕は、多少動かすことができます。

腕には針金が通してありますので、

手首と肘の中間あたりを持って上下・前後・左右に動かすことにより、

小道具を持たせやすいよう調整することができます。

また、手首の根元を軽くつまんで左右にひねると、

手首が回転して手のひらを上向きや下向きにすることもできます。

※ご注意
・腕をあまり大きく動かしてしまうとお人形の形が崩れてしまう可能性があるので、
動かすときは少しずつ調整してください。
・手首が木でできているお人形は、手の指がたいへんデリケートにできています。
そのため指をつかむと折れてしまう可能性がありますので、
手首を回すときは指の部分を持たずに手首だけをつまむようにしてください。
・木目込人形の場合は、手が固定されているため動きません。
(強引に扱うと破損の原因になりますので、解らない場合は購入されたお店にご相談ください)

小道具が持てない場合は?の写真

 

【4】男雛の飾り太刀の差し方について

男雛の飾り太刀の差し方についての写真

男雛の飾り太刀の差し方についての写真

この男雛刀の差し方は、左手の上から差してしまうと形が美しくありません。
この写真のように、左手の上から刀が差してある場合を多く見受けられます。

この写真のように、刀を腰の部分に差す方法が正しい状態です。

左手の下から刀を差し込んである状態が正確な小道具の刀の差し方です。

 

【5】金箔屏風について

金箔屏風についての写真

金沢箔と呼ばれる箔押し屏風は、
金を1万分の1ミリの厚さまでに非常に薄くした,

10センチほどの大きさの金箔を屏風に貼るため、

どうしても段差や筋、よれなどで乱れたように見えます。

 

均一に仕上がりムラのない普通品の屏風とは違った、

箔押し屏風独特の手仕事の味わいとご理解ください。


金箔屏風についての写真

この写真のような屏風は、

青箔、焼き箔と呼ばれています。
金箔を硫黄分の多い室の中で酸化変色加工させた物です。
製作する際の気温や時間により色調や柄が微妙に変化するため、

箔一枚毎に違った仕上がりになります。
同じ物が二つと無い天然の造形こそがこの屏風の特徴となります。

 

【6】絹しけ屏風について

絹しけ屏風について

絹しけ屏風とは、

金紙などの和紙の上に絹糸織物を裏打ち加工して仕上げたものです。
この生地は、天然の絹糸をつむいで織り上げ、

蚕の糸を数十本合わせて制作するため、糸の太さや紬が不規則となり、

部分的に毛玉が生じたり、糸の太い部分が生じたりします。
そのため、傷等の不良品と誤解される場合がありますが、

この不揃いな絹糸の妙が「絹しけ屏風」の持ち味といえます。

 

【7】本装屏風の切れ込み部分について

本装屏風の切れ込み部分について

本装屏風は、写真のように屏風の折り目の部分に切れ目が見られます。

これを「はね」などと言われていますが、

これは紙で蝶番の役割を果たしているためで高級屏風の特徴です。

 

また「ふすま」と同様に、

このような屏風は中が空洞となっているため破れやすいのでご注意ください。


雛人形の飾り方

雛人形の飾り方はこちら [PDFファイル/2.3MB]


五月人形の飾り方

五月人形の飾り方はこちら [PDFファイル/2.4MB]